OCEAN DOCKYARD  ~1/200 model ship builder~
1/200スケールでラジコン船を製作しています。
1/200 まるゆ 製作記3

先日、1/200艦船模型倶楽部のメンバーであるnaruchanさんとマイロンさんと共に、靖国神社内にある図書・資料閲覧施設「偕行文庫」に行ってきました。

ここには、大戦中の陸海軍に関する様々な資料が保存及び公開されており、当時の研究等をする際には最強の資料収集場所になるものと思われます。

さて、おいらはここで現在制作中のまるゆについて調査を行ったのですが、お宝資料がざっくざっくとありましたよ。

まずは、訓練航海から帰航中のまるゆが菊水作戦に出撃していく大和とすれ違う際に、まるゆの乗員が「一度やってみたかった」という登舷礼をしてみたら、何とびっくり!大和から百人ほどの登舷礼を返してもらい大感激に打ち震えていたところ、大和の引き波で一同ずぶ濡れなってしまったというトホホなエピソードについてですが、40隻も存在したまるゆの内、一体どの艇だったのかについて調べてみました。

光人社NF文庫「陸軍潜水艦」には、この時のまるゆの教官(艇長とは書かれていない)は岡田盛一氏であったと記されています。しかし、私のあたった資料には、この大和との遭遇エピソードは一切記載されていませんでした。

そこで、まるゆの艇長名から割り出そうと思ったのですが、「岡田」という苗字の艇長はいるにはいたのですが、名前が「与平」であり盛一氏とは別人と思われます。

ただし、盛一氏は後に日本画家となり「守巨」という雅号を名乗っているので、当時「与平」を名乗っていた可能性も捨てきれません。また、訓練部隊の教官の氏名が記された資料は見つからなかったので、今回は前述の岡田与平艇長の乗り組んでいた「ゆ2001号艇」を大和とすれ違ったまるゆと仮定することにしました。

ちなみに、「ゆ2001号艇」は昭和20年の4月当時、瀬戸内海の訓練部隊に配属されており、大和とすれ違った可能性のある艇の一隻であることは事実です。

さて、この「ゆ2001号艇」は、数あるまるゆの中でも中々に興味深い艇でありまして、様々な話題を提供してくれる存在であります。

実は「ゆ2001号艇」は、東京の安藤鉄工所で生まれたチャッキチャキの江戸っ子でして、開発中のコードネームは「試作2号艇」、もしくは「東京1号艇」と呼ばれていたそうです。

外見上の特徴は、この艇のみ艦橋後部に小さな張り出しがあり、内部は乗組員休憩所になっていたそうです。

果たしてこの設備は「ゆ2001号艇」のみにしか存在しないので、もしかすると狭すぎて休憩するどころか、ちょっとした独房みたいになってしまい、あまり上手く機能しなかったのかもしれません。

さて、「ゆ2001号艇」ですが、進水の時点からさっそくやらかしてくれます。何と、船台から海面に滑り下ろそうとしたら、土台のレールがぶっ壊れてしまい途中で止まってしまったそうな。

焦った工場は、大急ぎでレールを修復して翌日の昭和19年2月12日に何とか無事進水させたそうです。

しかし、安藤鉄工所では、次の「ゆ2002号艇」の進水においても進水に失敗しており、陸軍が造船経験の少ない工場に、半ば強引にまるゆを作らせていたことが窺い知れます。

さて、すったもんだの難産の末、何とか海へ這い出た「ゆ2001号艇」ですが、昭和19年6月13日から25日にかけて、静岡県の伊東港沖で深々度潜航試験を実施し、100m程度の潜水にも十分耐え得ることを立証したそうです!(拍手)

巷でよく言われる、まるゆはへっぽこ潜水艦だがけっこう深く潜れるという逸話は、この「ゆ2001号艇」の功績であると思われます。

その後、昭和19年の9月4日以降、瀬戸内海に移動して潜水輸送教育隊に配属され、まるゆの乗員育成に貢献したんだそうな。

もしあったとするならば、大和との会合はその訓練中の出来事なのでしょう。

さて、「ゆ2001号艇」のその後ですが、船乗りの間では、進水の時にトラブルのあった船は、その後もずっとツキに見放されるというジンクスがあるようですが、この「ゆ2001号艇」は無事に終戦まで生き残ることができたそうです。めでたし、めでたし。


おいらの作っているまるゆは、この「ゆ2001号艇」にしたいので、艦橋の後部に張り出しを付けてみましたよ。
こんなん具合です。
P1060172.jpg

P1060168.jpg

さ~て、どんどん作ってさっさと完成させちまいましょう!

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コメント
コメント
中々興味深いです
私も会合の後、まるゆについていろいろ読みましたが、不遇な船だったんですね。
その割には生存率が高く配属された兵隊さんはラッキーだったかもしれませんね。

完成楽しみにしてます。
2014/03/22(土) 12:04:32 | URL | りんたん #- [ 編集 ]
Re: 中々興味深いです
> りんたんさん
まるゆは、開発も訓練も、当然実戦での運用も全てが慌しくドタバタしていたようですね。
その割には犠牲が少なかったのは、正に不幸中の幸いだったのでしょう。
今回はRCメカを積まないので、あっという間に完成しそうです。
2014/03/22(土) 13:13:31 | URL | azuken #- [ 編集 ]
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