OCEAN DOCKYARD  ~1/200 model ship builder~
1/200スケールでラジコン船を製作しています。
思ひ出の艦船模型 其の参
さて、船を作っては沈めを繰り返すどころか、沈めることを楽しんでいたという精神が歪みきった糞ガキになり果てていたおいらですが、とあるおっちゃんとの出会いがおいらの彷徨える魂を救済したのでした。

ある日のこと、いつものように船のプラモを持って近所の池に出撃したおいらでしたが、そこで驚愕の光景を目にすることとなりました。
池にはゆうに1mはあろうかと思われる巨大な船が、あろうことか右へ左へと転舵しながら波を蹴立てて驀進しているではありませんか。
ニチモの30センチのお船しか知らなかった当時のおいらにとって、巨大なラジコン船との出会いは、奥深いジャングルに住み文明を拒否し続けてきた少数民族が、初めて映画館で3D映画を鑑賞した時くらいのインパクトだったのです。

その船は、今となってはよく思い出せないのですが自衛隊の護衛艦だったように思います。のっぺりとした舷側が転舵の度に午後の太陽の光を反射して、キラキラと輝いていたことが鮮明に記憶に残っています。
そしてその船を操るのは、ショートホープを咥えた見知らぬおっちゃんだったのです。

おいらはあまりの衝撃に、よだれを垂らさんばかりに口をあんぐりと開けていたのでしょう。
おっちゃんは、二カッと笑ってこう言ったのです。

「ぼうず、そんなに船好きか?」

おいらは、首がちぎれんばかりに縦に振り、「このでっかいプラモどこで買ったの!?」とおっちゃんに詰め寄りました。
おっちゃんは、SLよろしくボフ~と煙草の煙を吐きながら言いました。

「プラモじゃねぇ。全部自分で作ったんだ!」

がちょ~~~~ん!!船って自分で作れるの!!???

「何で作ったの?」
「どうやって作ったの?」
おいらは、嵐のような質問攻撃でおっちゃんを攻め立てました。

おっちゃんは優しい人でした。
うざったいガキの質問に一つ一つ丁寧に答えてくれたばかりか、船を陸揚げしてラジコンメカについても詳しく説明してくれたのです。
当然その説明は、当時のおいらには難しすぎて全く理解できなかったのですが、木製の竜骨やごちゃごちゃとしたメカはプラモとは明らかに違っていて、手作りメカの雰囲気が痛いくらいに伝わってきました。

おっちゃんはこうも言いました。
「ぼうず、学校のお勉強をしかっりやれ。そうすればいつかは自分で好きな船を作れるようになるさ」

その日、おいらは夕暮れまでおっちゃんにへばりつき、感激と興奮のあまりにふらふらと家路についたのでありました。

それ以降、おいらは適当に作った船を、遊び半分で沈める事を止めました。
あのおっちゃんの船みたいな、すっげー船を作りたくて、父親からのこぎりの使い方を教わりました。
プラモを買うのを止めて、木や発泡スチロールで船をスクラッチし始めました。

そんなこんなを繰り返すうちに、すっかり工作野郎となったおいらは、大学もうっかり美術系に進んでしまい、「ものづくり」から離れられない人生になってしまったのです。

そして、おいらも年齢的にはすっかりおっさんになってしまいました。
どうせなら、あのおっちゃんみたいな素敵なおやぢになりたいと思う今日この頃です。

おわり
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コメント
コメント
エエ話じゃ~!!
感動秘話ですね。
私が幼小の頃、1/700の駆逐艦が数百円の時代だったので結構作りましたが、おバカだったので船の底は平らだとしばらく思っていたもんです(爆)

子供の頃の根源はその後の人生にも影響を与えるのは確かですよね・・・私も社会人になっても某社の開発課なんて職場で相変わらずモノづくりをやっております(笑)
2012/05/18(金) 22:37:20 | URL | ナオ #eYj5zAx6 [ 編集 ]
こんにちは。
今はお子様を引き込む方ですね。
若い人が始めないと先細りになっちゃいますね。
私の場合、戦艦好きの叔父がいたのが、ハマるキッカケでした。
2012/05/19(土) 16:27:41 | URL | naruchan #cBDQp4Os [ 編集 ]
Re: エエ話じゃ~!!
> ナオさん
幼少時の体験というのは、とても重要ですよね。
わたしも、このおっちゃんと出会っていなかったら、多分にここまでラジコン船に入れ込む事は無かったと思います。その意味では、おっちゃんに「ありがとう」と「責任とってくれよ・・・」と二つの言葉を贈ってあげたい気持ちです。
2012/05/20(日) 00:01:48 | URL | azu ken #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> naruchanさん
ほんとに若い人たちに、この趣味に興味を持ってもらわないと、30年後くらいには絶滅した趣味みたいになっちゃう気がしています。
現在は、ネットのおかげで今まで出会えなかった人たちが交流する事ができるようになったので、艦船ラジコンを楽しむ人が増えた気がしていますが、絶対数としては、減少の一途を辿っている事は間違いない事実だと考えています。
やはり「JPさん友の会」でも作って、この趣味の保護活動をすべきなのでしょうかね。
2012/05/20(日) 00:07:59 | URL | azu ken #- [ 編集 ]
良い思いでですね~
思い起こすと私も小学生低学年あたりで本格的なラジコンとのファーストコンタクトがありました

いつだか真鶴さん、ナオさんと大きい公園の池で遊んだ時に数人の子供が集まってきて「何だあれ~!?」って顔で見てました
まさにazukenさんみたいに(苦笑)

多分ラジコン船なんて見たことない少年が殆どなのだろうな~と思いました
私も見たこと無かったし

自分がそういう場所で遊ぶ事が子供達に影響を与えるんだろうな~とも感じます
2012/05/20(日) 15:10:19 | URL | ふぢさわてつや #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> ふぢさわさん
やはりみなさんも、幼少期にラジコンとのファースト・コンタクトを行っているのですね。
というと、みんななるべくしてこうなったと言えなくもない気が・・・。

昨年、千葉で真鶴さんと走らせた時も地元の小学生達が集まってきて、いたく感動して帰っていきました。

もしや、真鶴さんって紙船だけじゃなくてRC船の伝道師なのかもしれませんね。笑
2012/05/20(日) 17:50:04 | URL | azu ken #- [ 編集 ]
ご無沙汰してます。
船ラジコンの馴れ初めですか。
ウチは結構遅いんですよ。まだ5~6年しか経ってなかったり。
船の科学館ノイベント「フネカン」で、小学生の時分、まともに走らなかったニチモ30cmシリーズを沈無し完走させてからです。
それ以降は御覧のとおりですが。爆
2012/05/22(火) 23:55:38 | URL | マイロン #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> マイロンさん
こちらこそご無沙汰しております。
マイロンさんの場合は、RC船との付き合い方の密度が尋常ではないですよね。w
私は、なんとなくダラダラと続けてしまっている感じです。
趣味なので、作りたくない時は作らないし、作りたいときは作る。
でも、ブログを始めてしまってからは、更新のために手を動かす事も増えましたね・・・。
いいのか、悪いのか。

2012/05/23(水) 21:17:20 | URL | azu ken #- [ 編集 ]
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2012/05/19(土) 03:35:39 | まとめwoネタ速neo