OCEAN DOCKYARD  ~1/200 model ship builder~
1/200スケールでラジコン船を製作しています。
ソ連黒海艦隊始末記 【終・其の一】
あいや~,黒海艦隊始末記とか言いながら,前回はセヴァストポリ要塞の話に終始してしまいましよ。
黒海艦隊の戦いって,日本語のまとまった手記がどうやら見当たりません。まぁ,みんなこんな辺鄙な戦場と意味不明の怪しい艦隊に興味はないよね!
というわけで,ネットの世界をウロウロして集めた情報を,フランケンシュタインよろしく継ぎ合わせてみました。

【1941年】
6月22日独ソ開戦。緒戦の赤軍は,な~んにもしないで一方的に枢軸側に撃破されちゃったイメージが強いのですが,何とびっくり開戦から3日目の25日には,新鋭巡洋艦ヴォロシーロフが嚮導駆逐艦モスクワとハリコフを率いてルーマニア沿岸のコンスタンツァ襲撃を試みています。この襲撃は,モスクワが触雷沈没し,ハリコフもルーマニア海軍の駆逐艦と沿岸砲台によって撃破され,けちょんけちょんにやられて負けてしまいましたが,枢軸軍の不意打ちに対して労農赤軍らしからぬ素早い対応であったと評してもよいのではないでしょうか。ま,結果は散々でしたけどね。

8月には,黒海艦隊の重要な根拠地であるオデッサを巡る戦いに,主要艦艇のほぼ全てが参加して海上からの補給と支援砲撃を行っています。しかし,勢いづいたルーマニア軍を止める事が出来ず,10月5日には撤退を決定。16日に防衛隊はセヴァストポリに後退しました。黒海艦隊は,この撤退作戦を見事に成功させており,これまたソ連軍らしくない迅速な作戦行動であったと言えましょう。相手がルーマニア軍だったからかな?

11月になると,マンシュタイン率いるドイツ第11軍がセヴァストポリに迫ります。黒海艦隊はオデッサ防衛戦同様,海路からの補給と支援砲撃を行いました。8日は戦艦パリジスカヤ・コンムナが駆逐艦を率いてドイツの包囲軍を艦砲にて攻撃。30センチ主砲146発を相手陣地に撃ち込み,戦車をはじめとする多数の敵を撃破したそうです。しかし,12日には復讐に燃えるルフトバッフェに襲われ,セヴァストポリ港内で巡洋艦チェルヴォナ・ウクライナが無念の討ち死にを遂げます。死因は急降下爆撃による5発の命中弾でありました(合掌,南無~)。25日~28日にかけては,砕氷艦ミコヤンを中心とした船団を極東に回航するため,嚮導駆逐艦タシュケントに率いられた駆逐艦隊がボスポラス海峡まで船団護衛を行っています。(ミコヤンの大冒険についてはこちら

12月に入ると,黒海艦隊はより積極的な防衛戦闘を開始します。すなわち,包囲軍の後方地域であるクリミア半島南東からケルチ半島にかけての沿岸部に,海軍陸戦隊を中心とした部隊を逆上陸させたのです。フェオドシアへの上陸作戦には巡洋艦クラスヌイ・カフカスが参加し,29日に行われたケルチ上陸作戦には戦艦パリジスカヤ・コンムナが支援砲撃を行いました。また,この間の22日~24日には,嚮導駆逐艦タシュケントがセヴァストポリ周辺のドイツ軍陣地に対して13センチ主砲800発を打ち込んでいます。この逆上陸には,流石のドイツ軍もびっくり!包囲殲滅を恐れた部隊が勝手に撤退を始める始末でした。こうなると天才マンシュタイン様も,一旦セヴァストポリの包囲を解かざるを得ず,ドイツ軍はケルチ半島にあるソ連軍橋頭堡を攻撃する為に東へ移るのでした。素晴らしいタイミングで逆上陸を成功させた黒海艦隊ですが,その後がまずかった!要塞の守備隊と呼応してドイツ包囲軍を逆包囲できる可能性があったにもかかわらず,彼らはどっしりと腰を落ち着け,何と橋頭堡を陣地化しはじめちゃったのです!まさか,もう一つ巨大要塞でも築城する気だったのでしょうか?貴重すぎる戦機を失ったにもかかわらず,陣地化された穴にもぐった同志諸君は手ごわく,ドイツ軍は橋頭堡の撃滅に翌年の6月までかかってしまったのであります。

この上陸作戦には後日談があり,赤軍の逆上陸に驚いて勝手に撤退しちゃったドイツ軍部隊の指揮官は,軍法会議にかけられた末,何とか死罪は免れたものの左遷されてしまいました。ソ連側の上陸部隊指揮官も,せっかくの好機を逸した無能軍人として処分されてしまいました。なんだか,この戦いは独ソ双方にとって後味の悪~い戦いになってしまったようです。




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コメント
コメント
いつも楽しく読ませていただいております。パリジスカヤ コンムナちょっと活躍してたんですね。ちょっと嬉しいです。
2011/11/08(火) 15:27:13 | URL | naruchan #cBDQp4Os [ 編集 ]
30cmの艦砲って陸上部隊にしてみたらかなり脅威ですよね!
13cmだって通常の野砲みたいだ~~

ソ連も情報が少ないだけで頑張ってた部隊も多いんでしょうね
また違うエピソードで楽しませてくださいな♪
2011/11/08(火) 22:00:46 | URL | ふぢさわてつや #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> naruchanさん
こちらこそ,いつもコメントを頂きありがとうございます。
コンムナの意外な?活躍は私も調べていてびっくりしました。
結構ちょくちょく砲撃に出向いていたようですよ。
ひょっとして,金剛型以外の日本戦艦よりも戦果あげてたりして・・・。

ま,そりゃないですね。
枢軸側から見て,おそらく戦略的な価値はかなり低く見積もられていたようですし。
港に居るだけで潜在的な恐怖となる日・独の戦艦とはわけが違いますね。
2011/11/08(火) 22:29:35 | URL | azu ken #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> ふぢさわさん
こんばんは。30cm砲となると結構な破壊力だったと思われますが,
80cm列車砲とかを持ってきちゃったドイツ軍からすると,笑っちゃうくらいの威力だったのかもしれません。
おまけに,陣地にもぐった地上部隊にとって,戦艦1隻の砲撃がどこまで効果があったのかは謎ですが,少なくとも足止めや牽制にはなっていたと思われます。
ソ連艦艇は,カメみたいにずーと港にすっこんでいて,何にもしなかったイメージがありますが,情報を掻き集めてまとめてみると,意外にがんばっていたことが伺えます。
いつか日本語で,ソ連海軍とイタリア海軍の動向をまとめた手記が出ることを祈ってやみません。
2011/11/08(火) 22:36:50 | URL | azu ken #- [ 編集 ]
ソ連VSイタリアとかは如何ですか?
黒海と言えばソVSイタとかは如何ですか?
個人的にはイタリアのデチマ・マス部隊の黒海派遣部隊トダロー少佐指揮の「モカガッタ」戦隊とかが気になりますそれなりに戦果も有ったみたいですし。モチのロンでモトロフ雷撃も戦果に含まれます(爆)

戦艦の砲撃ってのはすんごいらしくて、金剛・榛名がうっかりイギリス軍のクリスマス島を砲撃したら島毎降伏してしまって占領を予定していない島だったんで慌てて逃げたって話も・・・。
2011/11/08(火) 23:42:57 | URL | ナオ #eYj5zAx6 [ 編集 ]
Re: ソ連VSイタリアとかは如何ですか?
> ナオさん
こんばんは。
イタVSソというのも,マイナー中のマイナーな戦記が出来上がりそうで面白いですね。
もはや甲子園の地区予選,しかも第一試合くらい注目度の低い戦いとなっているような・・・。
でも,モロトフ雷撃は大金星といって良いと思います。
やっぱ,少人数のイタリア軍って強いんですねー。変な人たち♪

クリスマス島のお話面白いですね。そんな隠れたエピソードがあったとは!
しかも,金剛・榛名の砲撃って物凄く正確っぽいので,恐怖も倍増したでしょうね。
2011/11/09(水) 00:17:00 | URL | azuken #- [ 編集 ]
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