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OCEAN DOCKYARD  ~1/200 model ship builder~
1/200スケールでラジコン船を製作しています。
1/200 RC「むろと」製作記03
コロナで中々お外に出られない日々が続きますが、天気がよい日は本当に過ごしやすい季節になってまいりました。早く走航会やりたいものでありますな。

さて今回は、めでたく完成した「むろと」のお姿をご紹介したいと思います。

「むろと」が、「こじま」を呉からはるばる曳航してきてくれたことは前々回の記事でちらっと書きましたが、調べてみると、なんとこの船、かの有名な南極観測船「宗谷」が、初めての南極観測任務に赴くに当たり、僚船の「つがる」や「げんかい」らと共に、乗組員や観測隊員の家族を乗せてお見送り航海を実施したのだそうです。

なんか「むろと」先輩って、「こじま」を無料で千葉まで引っ張ってきたり、「宗谷」のお見送りをしたり、映画『海底軍艦』にちらっと登場してみたり、地味~にいぶし銀の活躍をした船なんですねぇ。

かっこいいぜ!

むろとパイセン!!

てなわけで、プロ・縁の下の力持ちの完成お写真。
全長約30センチのお手頃サイズなのであります!このサイズだと、飾る場所もとらないし、何より運搬が楽でいいっすね!
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「むろと」先輩の属する「だいおう」型は、この長大な船尾楼が特徴です。
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大戦中の日本艦艇を見慣れてしまうと、違和感満載の丸窓艦橋ですが、良く見てみれば中々凛々しいお顔でございます。
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ほんじゃ、試運転の様子をご覧くださいまし。
船はやっぱり水の上に浮かべてなんぼです。
「むろと」先輩気持ちよさそう♪
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スイスイとストレスなく動き回ります。
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実は基準値で喫水線を若干超えるくらいになっていまして、波が荒いと一発遭難間違いなしのスリル満点な航海をお楽しみいただける仕様となっております。(不沈構造なので、沈みはしません)
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「むろと」先輩のチャーミングポイントである長船尾楼が醸し出す謎のマグロ漁船感が愛おしい。後ろから見るとインド洋あたりで操業中の遠洋マグロ漁船にしか見えませんw大漁旗でも掲げちゃおっかな♪
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舵の効きも問題なし!癖のない素直な走りなので、お子様にも楽しんでいただけそうです。
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力強く航跡を描く「むろと」パイセンのお姿。
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ほんとに早く、お外で皆様と集まって船遊びしたいっすね!その際には「こじま」を紐で引っ張って曳航ごっこを楽しみたいと思います。そんでは、また~。
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1/200 RC「むろと」製作記02
新型コロナの影響がまだまだ冷めやらぬ日々が続きますが、休日は飲み屋に出かけられなくなったおかげで、模型の制作ははかどっておりますです。

さて、RC「むろと」ですが、実物が全長61mということで、1/200サイズでは約30㎝となってしまいメカ積みには大変苦労いたしました。作り方は故たちまわり氏が考案された紙船工法であります!さぁ、いってみましょー♪
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紙船工法おなじみの発泡スチロール・コアでございます。

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図面に合わせて、現物合わせでシャコシャコ削って作りましょう♪

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コアができたら、水で薄めた木工ボンドに浸した和紙を貼り付け、それが乾いたらいよいよ工作用紙を貼り付けていきます。

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第一層、工作用紙による縦方向の貼り込みが完了しました。

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プリっとした船腹がたまらんですな。

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で、第二層はケント紙で横方向に貼り込んでいきます。ケント紙にした理由は、「むろと」の船体が小型の為、工作用紙を二層貼り込むと重量オーバーになる恐れがあるからです。

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ガンガン現物合わせで貼り込みますが、左右バランスよく貼り込んでいかないと船体が歪みます。

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よっしゃ!二層目の貼り込みも完了でござる!ちっこいから、あっという間にここまで進みます。

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外皮が乾いたら、コアの発泡スチロールを指でほじくり出すであります!

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すっぽ~んとコアを抜き出すと、ご覧のとおりモノコック船体が出来上がります。ま、張子のお面と同じ要領ですな。

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さて、このお船はあくまでRC船ですので、ここから耐水防御固めていくでやんすよ。使用するのは、FRPとサンディングシーラーであります。
私の場合は、最初にFRPで船体を固めてしまい、やすりで表面を整えてから、サンディングシーラーを三度塗りしてます。
ちなみに私の経験上、FRPだけの防水だと表面に細かいひび割れが発生するらしく、しばらくすると水が染み出して、中の紙がふやけてしまうグヨと呼ばれる現象が発生します。
グヨが発生すると、船体だけでなく自分の心もフニャフニャになるので、注意が必要ですw
しかし、人類の英知はすばらしく、紙船工法の伝道師たる静岡のナオさんが考案したサンディングシーラーによる上塗りにより、ほぼ100%グヨを撃退することが出来ました。


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サンディングシーラーが乾いたら、やすりで整えてやるとこんなご機嫌な船体になります。船体の厚みは約1㎜位です。

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甲板を取り付けるためのガイドを設置。

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甲板はプラ板を切り出して製作。これ、裏側ね。

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甲板は木目シートを貼り付けて、水性ウレタンニスで防水します。

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ここまでくると、大体船体完成っすね。

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で、あとは上部構造物を厚紙やら何やらで、ちゃっちゃと作っちゃいます。ちっちゃいお船はパーツ数少ないからあっという間だ~い!





1/200 RC「むろと」製作記01
いやいや、ここ数か月仕事が忙しすぎて、すっかりブログを更新する気力が衰えておりましたよ。
しかし、以前よりもペースは落ちましたが、チマチマとお船を作り続けておりますです。
というわけで、ひっさびさの造船レポート始まり始まり~♪

で、何を作ったかというと、「こじま」を千葉まで曳航してきた海上保安庁の巡視船「むろと」を作ってみたのであります。

元海軍海防艦「志賀」であった「こじま」は、1965年に海上保安庁を解役されると、千葉市に引き取らて海洋公民館に改装されることになりましたが、全長80mもある巡視船の払い下げを、地方の一教育委員会(公民館の運営は当時の千葉市教育委員会社会教育課が担当)が主体となって行なうなんて、前代未聞の難事業であったらしく、曳航費用なんぞあらかじめ用意していなかった、というか、そんな費用が発生することすら知らなかったんだそうです。で、当時の課長が市長に直談判したり、あっちこっち走り回って何とか「こじま」を千葉まで回航すべく、奮闘したというエピソードが残っています。

そんなこんなしているうちに、心優しい海上保安庁が巡視船「むろと」の曳航訓練の一環として、何と無料で「こじま」を呉から千葉まで、えんやこ~らと遠路はるばる引っ張ってきてくれたのであります。

ありがとう、「むろと」!
ありがとう、海上保安庁!

そんな、千葉市海洋公民館設立の影の立役者であった「むろと」ですが、調べてみると中々面白い船でした。
戦後、発足したばかりの海上保安庁は、海軍の残存小艦艇を中心とした中古船をかき集めて編成されましたが、昭和24年に、待望の新造巡視船を建造することになりました!

GHQにより諸々の制約は課せられていたようですが、当時の技術陣は喜び勇んで基本設計を作り上げたそうです。敗戦の憂き目から数年、久々の自分たちの為の船づくりにどれだけ心躍らせて取り組んだかは、押して図るべし…。そして、いよいよ建造発注という段階になって、GHQからまさかの「待った」がかかったのであります!

GHQ曰く「ジャップのみなさんが、わざわざ自分達でお船を設計することないデース。ミー達のコーストガードが使っているお船をデッドコピーすればいいデース。HAHAHAHA!」と。

んで、結局海上保安庁初の新造巡視船は、米コーストガードが使用していた「カクタス」級設標船をタイシップとして設計した「だいおう」型になったんだそうです。「むろと」は「だいおう」型の2番船として昭和25年に竣工しました。

これが強制的に参考にさせられた米コーストガードの「カクタス」クラス
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(画像はウィキコモンズより引用)
う~ん、これは日本人の「かっこいい」という感覚からは100万光年くらい遠いお姿をされておられるので、担当技術陣の落胆ぶりは想像するだに気の毒です…。

そんなわけで、いつものとおり1/200でつくってみたのがこれ。
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何というか、すっごい伝わってきますね…。

全力で「カクタス」を拒絶しながらも、一見「カクタス」っぽくしなくてはならなかった技術陣の苦悩が。

そんな、呪われし出目を持つ「むろと」でしたが、優れた復元性能と航続力で、黎明期の海上保安庁の活動を見事に支えたのだそうです。